それでは、経営状況評点、通称”Y評点”はどのようにして改善し、点数を上げるのか?

これを考察したいと思います!

Y評点を算出する前に、経営審査を出す際には”財務諸表”というものを作成して、申請機関に提出しますよね。

この時点で、Y評点が確定するので、実態としては経営審査に挙げる書類を整えるのではなく、財務諸表の作成の仕方を工夫するということになります。

(ウソの報告は絶対だめです。なので、自社の決算書の作り方が大変重要です)

Y評点は0点~1595点の間で点数付けされることと、評価5項目の中でも「2番目」に総合点数(P)貢献度が高いため、大変重要な指針です。

Y評点を構成する科目は、当たり前ですがB/SとP/Lから拾ってきた数字がほとんどですよね。

その中で重要な項目はどこにあるのでしょうか?

Y評点の審査ポイントは8つです。

1 純支払利息率 PL 

2 負債回転期間 BS

3 総資本売上総利益率 BS

4 売上高経常利益率 PL

5 自己資本対固定資産比率 BS

6 自己資本比率 BS

7 営業キャッシュフロー PL

8 利益剰余金 BS

です。

この8つを見ると、8つのうち5つはB/Sから拾う数字となります。

これらの指標のうち、何を改善できれば点数は上がってくれるのでしょうか?

あんまり細かいことを書くと長くなりすぎるので、簡単にお伝えします。

上記の採点項目に対して、同じ番号を振っています。

1 支払利息より、受取利息を多くする

  → 借入を減らすこと、利息を1円でも多くもらうこと

2 固定負債・流動負債を減らすこと

  → 負債合計を、月商の3カ月分以内を目指す

3 売上総利益を上げる or 総資本を減らす

 → 外注費や材料費を削減し内製化する 

   不要な資産を吐き出すこと、売掛債権を減らすこと、在庫を落とすこと

4 売上高経常利益率を上げること

 → 生産性を上げること(これは難しいですが、、、)

   経常利益までしか見ないので、特損を活用して経常利益より下で経費できる

   項目を洗い出し、決算書に反映させること

5 自己資本対固定資産比率

  BSの右下の純資産額に対して、どれだけの固定資産を持っているのかですから

  → 固定資産の3倍の自己資本を持つこと

    所有ではなくリースの活用も検討すること

6 自己資本比率

  → 自己資本比率は総資本を100とした時の比率なわけですから

    利益剰余金を積み立てるより、3で回答したように、売掛債権の減少

    不要な不動産の売却、在庫0を目指し、総資産を減らす方向で動く

7 営業キャッシュフロー

  これは、経常利益+減価償却費、売掛債権増減等色々ありますが

 → 経常利益を上げること(特損いっぱい使えれば最高)債権の回収スピードを上げること、仕掛工事を含め、在庫の管理を決算期に合わせること

8 利益剰余金

  → 特に点数への貢献度が高いものですが、剰余金1億につき1点、、、という

    超難易度が高すぎる話です、、、、最高100点(剰余金100億)となるのですが、福島県内だと1社しかないと思います、、、。

(なのでこれはあまり気にせず、繰越欠損とならないようにだけ注意するべきです)

この通りやれば950~1050点は取れます。

エンドウはどうなのか?

Y評点842点なので、正直まだまだ伸びしろがあります!!

上記のことを実践していけば、これからも確実な格付けを獲得していけるはずです。

色々計画もしてますし、実践もしているので3年くらいで950点になるはずです。

自社はちょっと、土地(固定資産)を持ちすぎていて、それが足かせとなってます(汗)

しかし、考えてみるとシンプルですが、実践はとても困難で経営者にしかできない仕事です。

勝ち残るためには、こういった数字と真剣に向き合い、戦い続けるしかないのです。

建設業経営者として感じることは、どうしても支払いが先行となるのでお金は苦しいです。

しかし、必要資金を調達するために決算書を磨けば、経営審査もよくなります。

そうして取引銀行に当座貸越枠を設定してもらい、柔軟な資金調達を可能にできれば、決算日の流動負債額も調整しやすいので、結果的に経審の結果はさらに良くなります。

数字は結果ではなく、作り上げる作品だと思い、毎年度磨いていきたいものです。