金利上昇の影響は、そもそもお金を借りない人にとっては何も関係のない話です。

しかし、逆に言うと企業経営においては「建設業はどのようなタイミングでお金を借りる必要があるのか?」

という事象から、金利上昇の影響を考えることができると思うのです。

① 設備投資をしたいとき

 ⇒ 建設用重機・工事用車両・社屋・それに伴う土地を「借入れ」によって入手する場合など

設備投資についてですが、やはり事業を大きくする・成長させる・安定させるなど事業を大きく軌道に乗せたり、新たな展開をしていこうとすれば「お金が必要となります」

欲しいものは「お金をためてから買う。」という考え方のほうが多いと思います。

両親にそう言われてる人も多いかもしれません。

しかし事業の運営(経営)では違います。

例えばお金を5年間貯めてから実行する(購入する)というのは、デメリットのほうが多いと思うのです。

これは「お金は借りれるけど、時間は借りれない(取り戻せない)」という時間至上主義の思想です。

お金を貯めてから購入すれば、設備投資に失敗しても大丈夫なんじゃない?

という声が聞こえます。

でも私は、そうすると失敗も5年後にしか経験できないと思うのです。

今すぐお金を借りてやりたい設備投資を実行して失敗しても、金を貯めて5年後に失敗するよりもメリットがはるかに大きいと思うのです。

(もちろん事業となりうる、事業計画を現実的に立てなければなりませんが。)

これは私が、「失敗」を「経験」と読み替えることができるからだと思っています。

5年貯金する⇒1年目で失敗する⇒6年目から次の事業計画を立てる⇒また5年貯金する⇒次の設備投資を実行する(11年目になる)

1年目にお金を借りる⇒1年目で失敗する⇒2年目から次の事業計画を立てる⇒次の設備投資をする(3年目)

というように、会社の成長に必要なチャレンジがより短期間で実施できます。(5年貯金すると仮定する場合)

失敗から学び、それを経験にして、次に活かす。

業務でも遂行していく中で、ミスがあるかもしれないがそのミスのおかげで、自分の業務遂行における不足が判明し、経験となり、次の成功に向けたチャレンジができるのではないでしょうか。

もちろん失敗は怖いのですが、起こってもいないことにビクビクして

何に挑戦せずに人生が終わることのほうがよっぽど怖いのです。

先ほどの例に戻ると、お金を貯める派の人は11年に1回のチャレンジをするのに対し、

お金を借りる派の人は2~3年に1度チャレンジができるのです。

こうして、失敗はするかもしれないけど、失敗を重ねるうちに失敗のセオリーがわかったりします。

「こういうことしたら、失敗するんだ。。。。」

これを読み替えると、「こういうことをしなければ、こういう風にやれば、、、成功するんじゃないか?」

というふうに、失敗から学び、今までの事業計画の不足を知り、次に活かしていくことができるのではないでしょうか。

失敗は成功のもと。の考え方です。

そうして11年に1度の挑戦をする人よりもより多くの経験を積み、より多くの時間・より多くの回数チャレンジができます。

「お金を貯める派」と、「お金を借りる派」は全く同じ設備投資をしていたとして、全く同じ失敗をしていると仮定したときに、

お金を貯める派の人は、5年間お貯金を終えた6年目から失敗した設備投資の回収のために動き出せます。

一方でお金を借りる派の人は、2年目から失敗した設備投資の回収のために動き出せるのです。

対策をできる時間がより多く残っているほうが有利なのは言うまでもありません。

どうせ毎月貯めるお金も、毎月銀行に返す金とあまり変わらないのですから(金利はあるけど)、より早く着手できるというメリットは絶大な気がします。

最後に例を出すと、現在免許は持っているが「自転車」で移動している人を例に挙げます。

ここで、5年間お金を貯めてから自動車を買う。人と

お金を借りて自動車を買う人。

どちらにメリットがあるでしょうか。

(考えは人それぞれなのは大前提路して、私のブログなので私の考えを書かせていただきます。)

私はお金を借りて自動車を買う人だと思うのです。

5年間お金を貯め続けて、その間自転車に乗り続けるよりは、金利を払ってでも今すぐに自動車を手に入れたほうが、これからの移動時間や自分の行動範囲、事故や違反などの経験も5年早くできるのではないでしょうか。

同じものを手に入れるなら、なるべく早いほうが良いのです。

最後に、このような例や話をしましたが

絶対条件として、事業に必要なものを買うことが鉄則です。ギャンブルとか、わけわからんフェラーリとかを借金してまで買う意味はありません。

そんなことは事業ではなく、個人で遊べる範囲でやってください。

余談もいいところですが、そんな当社には借入金が現在ありません

これまで長々と書きましたが、そのような設備投資に必要なお金を借りるとなると

毎月の支払は欠かさず実施しなければならないのも事実です。

これは借りた分の元金だけでなく、「利息」も含めて返すのです。

(これが銀行の最も大きな収益ですので)

建設業内では設備投資として、車両や重機を買うためにお金を借りる人も多くいます。

しかしそれは利息を含めて返済することができる目途が立っているからです。

話を家庭に置き換えると、マイカーローンや住宅ローンも金利が低ければ借りやすいけど、金利が1%高かったら、「毎月の返済がきつくて借りれないよね」ってパターンあるじゃないですか。

建設業(どの業界もですが)では、金利が上がってしまうと毎月の返済がきつくて借りられないよね。。。。。

て会社がどんどん出てくると思うのです。

こうして、バックホウやダンプを買おう!(設備投資をしよう!)

って会社が減っていきます。

これまで年に100台バックホウを売っていた重機屋さんが、金利の上昇によって年70台しか売れない。といった事態になるのです。

そうすると、売上が減るわけですから当然そこで働く人たちの待遇が向上しないのです。

私は世の中の金の動きは、超超マクロでみると以下の通りだと思っています。

エンドウがバックホウを買う⇒重機屋さんが儲かる⇒従業員の給与が増える⇒その従業員が結婚する⇒その従業員が家を建てる⇒エンドウが水道を引き込む⇒その従業員の建てた家が水道料金を支払う⇒水道局が儲かる⇒古くなった水道管の更新工事を発注する⇒エンドウが儲かる⇒エンドウがバックホウを買う⇒・・・・・・

といった感じです。

世の中に存在するお金の数量は定量なわけですから、このお金の流れがスムーズだと「景気が良い」と言えて、このお金の流れが遅くなると「景気が悪い」というわけです。

要は貯金ばっかりしていると景気が悪いというわけです。(お金の流れが遅くなるから)

結論としてはこうして、建設業においては設備投資の需要が減っていくことが予想されます。

国内の物価上昇スピードが速いために、金利を上げることでこれらを抑制することが目的ではありますが、景気については多少のブレーキがかかるタイミングかもしれません。

金利が安いうちに、家を建てよう!本社ビルを建て替えよう!といった会社さんが減る。ということは、水道を引き込むお客さんも減る。ということなのです。

金利の上昇によって、建設業は少し厳しい将来予測が立つ。というのが、私の結論です。