とあるところで、建設業勤務の25歳、男性の「会社に辞表を出した」という話を聞きました。

たまたま隣に座って、何かの話の流れでそうなっただけなんだけど。

それが面白かったので書きますね。

今回も長いよ~

その会は、郡山で名の知れたシェフの料理が出るんですね。

食べることと友達と久しぶりな顔合わせが楽しみで足を運んだけど、

隣の「会社辞めたい」話が耳に入ってしまい、

私の「何で?何で?」の質問癖の餌食になりました。(笑)

そこで興味深かったのは、

1級建築士を持っている自分が、何で毎日ドロドロになって仕事をしなくてはならな いのか、わからない

という彼の言葉です。

この言葉は、ずーんと私の心の深いところに渦巻きました・・・ドロドロ

 25歳でその資格を持っているというのは、凄いです!

 相当努力したんだなということも理解できます。(合格率相当低いですからね)

だから、その資格を活かして新たな勤め先を見つけたい、ということでした。

が!

ちょっと待てぇ~~~~~

資格持ってるのは確かにポイント高い。

でも、25歳という年齢からすると、確実に実務経験が少なすぎる。

資格は2年前に取ったらしいけど

「その資格で自分の名前を出した現場でどんな立場で(多分 主任技術者)何が出来るようになったか、言ってみ~?(郡山弁)

もし、私が中途で採用するとしたら、そこを細かく聞くところだけど」

「それが無いから辞めたい・・・」

「それ作らないと辞められないでしょ。資格とって初めて土俵に上がれるんだから。

世の中が思ってる価値って、資格を使って得たあなただけの実績のことだよ」

「社長にもそっくり同じこと言われました・・・」苦笑いの彼。

「そりゃそうでしょう、同じ立場なんだから。」

彼の顔を見て以前、会長が言ったことをふと思い出しました。

退職届を出した社員のことを

「あれくらい現場が出来るようなれば、どこででもやっていけるだろう」

と言って引き止めませんでした。

社長って、社員の幸せと成長を一番望んでいる人です。

一生、会社にいて欲しいという望みは、現実的な事でないことも承知の上です。

だからこそ、この縁を活かして、

何があってもどこに行っても、タフに生き抜く力をつけて欲しい

そう思っています。

彼の会社の社長さんも同じ思いなんだと想像しました。

引き留めたいわけではなく、

辞めるのは今じゃないと、きっと思ってるはず。

なんで毎日、ドロドロになって仕事をしなければならないのか?

という問いについては、その業務の意味が伝わっていないのかもしれません。

他の会社のことなので、想像ですが。

このことをエンドウの社員に問われたら 何と答えるか?

現場でしか学べないことがたくさんあるから」 です。

建設業の大変でもあり、面白いところでもあるのですが

「現場でやってみないとわからない」ことがたくさんあります。

私たちは土を扱いますが、土も場所によって質が違います。

質が変われば、使う機械や工法も変えなければならない。

そして、現場ですぐに判断して実行します。

それが「現場は知恵と工夫の宝庫」と言われるところです。

設計図があればその通りにできる、と思いたくもなりますが、

我々は現場を調べて、施工図に変えます。

どこの会社もそうしているはず。

こういうことは体験して身につけていくことなので、

言葉での説明には限界があります。

エンドウでは、設計や積算業務はバックオフィスの女性が行っています。

現場で作業はしたことがありませんが、よく現場には足を運んでいて、

自分の仕事に必要な情報を取りに行っています。

彼女たちは口を揃えて言います。

「現場を実際に見ないと何もわからない」

今は動画で何でも見聞きできますが、

だからと言って出来るようにはならない。

自分でやってみて、初めて自分のものになるんだと思います。

(動画の視聴だけで、練習しないで、ゴルフが上手くなりたい!)

25歳の彼はまだ、自分がしている事が繋がらないのかもしれません。

でも、それは時間が解決してくれること。

設計図を施工図に書き換えて、

安全と品質を担保に

予実管理が出来るようになったら

今の会社の社長さんは、快く送り出してくれるでしょう。

どこに行っても大丈夫!って。