そして私のブログは最後まで読む!

これが重要です。(笑)

ー

ー

さて先日、知り合いの社長と話をしていました。

その方には、もうすぐ中学生になる息子さんがいます。

子育ての話になったとき、その社長が少し誇らしげに言いました。

「うちの息子なんだけどさ。」

「酒も女も金も煙草も競馬も、小学生のうちに覚えたんだよ。」

…………。

私は、言葉を失いました。

すごい。

最近の子供は、すごい。

私が小学生の頃、何をしていたでしょう。

友達と遊び、自転車に乗り、宿題を忘れ、どうやって親に怒られずに済むかを考えていました。

しかし、彼の息子さんは違います。

酒。

女。

金。

煙草。

競馬。

…………。

人生の主要科目を、義務教育の前半で、ほぼ履修しています。

しかも、父親は自慢げです。

私は思いました。

教育方針というものは、家庭によってずいぶん違うものだ。


会社を経営していると、人材育成について考える機会があります。

若いうちから経験を積むこと。

失敗を恐れず挑戦すること。

早い段階で社会の仕組みを学ぶこと。

どれも大切です。

しかし、物事には順序があります。

基礎を学び、経験を積み、少しずつ成長していく。

私たちの仕事も同じです。

いきなり難しい工事を任せるわけにはいきません。

まず、安全を学ぶ。

道具を覚える。

現場を知る。

そして、経験を重ねる。

ところが、彼の息子さんは、小学校を卒業する前に、ずいぶん先まで進んでしまったようです。

私は、少し心配になりました。


「いやあ、すごいですね。」

私は慎重に言いました。

「でも、それって……大丈夫なんですか?」

すると社長は、不思議そうな顔をしました。

「何が?」

…………。

何が。

こちらが聞きたいです。

「いや、酒とか煙草とか……。」

社長は笑いました。

「ああ、漢字の話だよ。」

…………。

漢字。

酒。

女。

金。

煙草。

競馬。

全部、漢字。

…………。

なるほど。

私は深くうなずきました。

最近の子供がすごいのではありません。

私の想像力が、少し豊かすぎたようです。


しかし、この出来事で、一つ気づいたことがあります。

人は、相手の話を聞いているようで、実は自分の頭の中で勝手に物語をつくっていることがあります。

相手が何を伝えたいのか。

どんな意図があるのか。

本来は、確認しなければ分かりません。

ところが、私たちは途中で結論を出してしまう。

「つまり、こういうことでしょう。」

「あなたが言いたいのは、こういうことですね。」

「その考え方は違いますよ。」

…………。

まだ、何も言っていないのに。

実は最近、仕事でも似たようなことを考える機会がありました。

ある話し合いの中で、私は物事をより正確に整理するための提案をしました。

すると、その提案の目的について、少し違った受け止め方をされたことがありました。

そして、その受け止め方を前提に、仕事に対する姿勢についてのお話をいただきました。

…………。

おっしゃることは、もっともです。

仕事に対する考え方として、何も間違っていません。

ただ、少し不思議だったのです。

私は、そのような目的で提案したわけではありませんでした。

本来、何を目的としているのかは、私に聞いていただければ分かることです。

しかし、私が説明する前に、私の目的が決まってしまったようでした。

…………。

すごい。

私自身もまだ十分に整理できていない考えを、先に理解していただいている。

もしかすると、私より私のことを理解しているのかもしれません。

それなら、いっそ私の代わりに会議へ出席していただきたいものです。

非常に助かります。


もっとも、先ほどの漢字の話を思い出せば、私も同じことをしています。

「酒も女も金も煙草も競馬も覚えた。」

その言葉だけで、勝手に想像し、勝手に心配し、勝手に教育方針まで考えていました。

本人に確認する前に。

つまり、私も相手の話を決めつけて聞いていたのです。

これは反省しなければなりません。

ただ、今回の二つの出来事には、少し違いがあるようにも思います。

私の勘違いは、確認したことで笑い話になりました。

一方で、自分の推測を相手の考えとして扱い、その前提で注意や指導を始めてしまえば、相手はまず、自分が言ってもいないことを否定しなければなりません。

本来の話し合いに入る前に、余計な説明が必要になってしまうのです。

これは、会社経営でも気をつけなければならないことだと思います。

社員から相談を受けたとき、

「どうせ、こういうことだろう。」

「きっと、こう考えているんだろう。」

そんな先入観を持っていないだろうか。

社長という立場にいるからこそ、自分の解釈を正しいと思い込んでいないだろうか。

改めて考えさせられました。

相手の話を理解することと、理解したつもりになることは、まったく違う。

大切なのは、相手の話を最後まで聞くこと。

そして、分からなければ確認すること。

自分の解釈を、相手の言葉にすり替えないこと。

私自身、気をつけていきたいと思います。


最後に。

人の話を途中で決めつけてしまうことは、誰にでもあります。

私もそうです。

だからこそ、間違いに気づいたら、

「そういう意味だったんですね。」

「私の理解が違っていました。」

と、素直に認められる人でありたいと思います。

そして、相手の考えが分からなければ、尋ねればいい。

勝手に決めつける必要はありません。

ただ、世の中には、相手の話を最後まで聞かなくても、その人の考えや目的が分かってしまう方がいらっしゃいます。

大変すばらしい能力だと思います。

私には、とても真似できません。

何しろ私は、相手の話を最後まで聞いても、勘違いすることがあるくらいですから。

…………。

私の考えを教えていただく前に、私の話を聞いていただけると幸いです。